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遊びの流儀 [読むものと見るもの]

サントリー美術館の「遊びの流儀」を見に行った。

遊楽図の系譜として、有名な遊楽図屏風などが並ぶ。
絵の中に描かれている遊びの道具も共に展示されていて、
わかりやすい。
遊楽図屏風や遊びの風景というのはよく見るのだけれど、
ずらっと展示してあるのを見ると、なかなかハッピーなものだ。
花鳥画の屏風図などは、もっと静かなものだけれど、
四季折々の花や木が描かれ、鳥が遊ぶ図は理想のパラダイスの姿
なのだと思う。一年の花が一緒に咲き乱れ、鳥が飛ぶのが日本のパラダイス。
でも、これも人間版のパラダイス、江戸時代のパラダイスなのかな。
と思いました。

展示は桃山時代から江戸時代のものがありましたが、
江戸時代のものが多かった印象です。

前半の美しい絵もとても面白かったのですが、
意外な楽しさは後半の江戸時代に花開いた絵すごろくとカルタなどのカード類。
絵すごろくなんかは読んでいると面白いです。特に男女のすごろく・・・。
一応あがりは結婚なのですが、スタートから、どの数が出るか、で行くコマが
決まって、そこから3つぐらいの選択肢の数がでるまでサイコロをふって、
数が出たらその指示のコマへ行く。という、順番に進んでいくすごろくではない
ものがいくつかありました。今よく見る、サイコロの数だけ順番に進んでいく
のは東海道のすごろくみたいなもので、絵すごろくなんかはこの、指示のコマへ
行くタイプが中心みたいでした。
すごろく内容を読んでいて、なかなか面白いのですが(波乱万丈で)、
どうも女の人生のほうがハードモードなのが気に入りません。まあ、当時
女性はしょうがなかったのかもしれませんが、子供の里親になるとか、
「きむすめ」コマぐらいが、まあまあ平安なほうか、といったコマが目白押し。
「親のために芸者」だとか、「めかけ」だとか、そんなのが結構あったり。
(出る数によって、芸者から、めかけ、から、また芸者とか)。派手なのは
「けいせい」なんかがありますが、でも遊郭で仕事しっぱなしだし。
男性のほうは「くるわがよい」とか「隠居」とかあるんですよ。
ま、「かんどう」とかもありますが。
まそんなのだとか。男の出世(?)絵すごろくみたいなのもあったり。
面白かったです。

そしてカード。素敵で美しいかるた類が並ぶ中、一つだけ、
手作り感覚のカードが。能楽カード。これ、点数が書いてあったりするので、
たぶん持っているカードを出し合って、点数を競うようなゲームにつかったのだ
とおもうのですが、かなり使い込んでいるようなあとがある。
日ごろ本当に使っていたんだな、と思うのと、なかなか素人の絵だけれども
上手く作っているカードで、器用な人がお屋敷の中にいて、作ったのかな
などとおもわせるものでした。こちらも面白い。能楽のどの演目かわかるような
絵が描いてあって、遊び方はわからないけれど、これはあれ、これはこれなど
言い合ってみました。


前半の人々が楽しげに遊ぶ美しい世界。後半の実際の遊びの道具達。
なかなか面白い展示でした。また行きたいなあ。
後半の今まであまり注目していなかった絵すごろくの世界。なかなか
世の中を反映していて面白かったです。もうちょっと注目してみようっと。
すごろく好きだし(私は子供の頃から自作すごろくを作って遊んでいる。)


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